第 49 回 (2008-06-21 開催)
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川野 聡恭 先生 | 土居 元紀 先生 | 植田 慶輔 先生 |
世話人: 大城 理 氏
参加者: 63 名
講演内容
川野 聡恭 先生 (大阪大学 基礎工学研究科)
「人工臓器開発におけるMEMS技術と非線形数理科学」当研究室で開発中の振動流型人工心臓および無電源Stand Alone埋込型人工蝸牛を例に,非線形数理解析によるCAE(Computer Aided Engineering)技術,動物実験,医工連携における研究成果の概要を紹介する.人工心臓の研究では,牛血あるいは山羊を用いた動物実験,外シャントによる新術式の提案,非構造格子による非ニュートン血液流の数値解析等を行っている.また,MEMS人工蝸牛の研究では,超微細加工技術によるプロトタイプ試作の他に,リンパ液中での基底膜振動と周波数弁別特性を,いわゆる非線形波動の局在化現象として定式化し,ベケシー進行波モデル(1960年度ノーベル生理学・医学賞受賞)の深化・理論的解明を目指している.数式使用を極力廃し,ものづくりや臨床医工学の視点から平易な解説を心がける.
土居 元紀 先生 (大阪電気通信大学 情報通信工学部)
「バイオメトリクス個人認証について」身体には指紋などのように,個人特有のパターンをもつ部分がある.それらの部分から個人特徴を抽出して照合を行うことにより個人認証を行う,「バイオメトリクス個人認証」が現在普及しつつある.指紋・網膜・虹彩・顔・手の静脈等の提示による個人認証技術について,講演者が行っている研究例も交えながら提示部位ごとに認証技術の解説を行う.
植田 慶輔 先生 (アクティブリンク株式会社)
「空気圧式ゴム人工筋を用いたパワーアシストスーツの開発および,リハビリ支援装置への応用」現在,弊社は大阪大学大学院工学研究科と共同で,人間との親和性の高い筋力補助用装置をソフトメカトロニクスの概念により,空気圧式ゴム人工筋を用いてフレームを持たない外骨格構造のパワーアシストスーツとして研究開発を行って来ています.その応用として,脳卒中片麻痺患者がセラピストの手を借りず,健常側の上肢の動作に同期して,麻痺側の他動運動訓練を行うための上肢リハビリ支援スーツというものを研究開発したので紹介します.