第 73 回 (2014-07-05 開催)
近江 雅人 先生 | 小濱 剛 先生 | 田中 信行 先生 |
世話人: 木村 裕一 先生
参加者: 61 名
講演内容
近江 雅人 先生 (大阪大学 大学院医学系研究科・教授)
「光コヒーレンストモグラフィ(OCT)の進展と医療応用」光コヒーレンストモグラフィー(OCT)は生体表皮下数mmの深さの生体微細構造を約10ミクロンの高い空間分解能で断層イメージングできる光技術である。OCTは眼科における網膜診断や内視鏡OCT等が検討されている。我々はOCTを用いてヒト表皮下における汗腺や末梢血管のダイナミックな生理機能の解明を検討している。交感神経の支配下にある精神性発汗や血管収縮現象をミクロに捉えることに成功し、交感神経活動の評価を試みている。
小濱 剛 先生 (近畿大学 生物理工学部・准教授)
「眼球運動システムの計測とモデリング」眼球運動の神経機構は,その大部分が視覚注意の制御系と重複しているために,注意の集中や移動といった高次の認知機能が眼球運動の振る舞いに影響を及ぼすこととなる.本講演では,視覚注意の集中を統制する実験を遂行中に観測された眼球運動の解析例や,眼球運動神経系を理解するためのモデルシミュレーションによるアプローチについて紹介する.
田中 信行 先生 (大阪大学 大学院基礎工学研究科・助教)
「界面制御を利用したバイオメディカルユーザインタフェース」生体組織は、固相、液相、気相の三態が入り混じった構造を有し、各境界面において物質交換、潤滑、接着といった様々な物理的作用が生じている。我々はこの点に着目し、医理工境界の橋渡し技術として界面特性のコントロールよる生体組織の巧みな操りに挑戦している。本講演では、組織工学への応用と近年大きな注目を集めている再生医療分野での成果を紹介する。