第 60 回 (2011-4-23 開催)

世話人: 中川 昭夫 先生
参加者: 43 名

講演内容

小嶋 功 先生 (神戸学院大学 総合リハビリテーション学部)

「義肢装具と生活環境支援の理学療法」
リハビリテーションは究極的には生活再建を目指した、医療・介護・福祉等の包括的なサービスです。理学療法(士)は、医療・介護分野のみならずヘルスプロフェッションとして健康増進、介護予防、スポーツ等に関わると同時に、疾病や外傷によって失われた機能を補完・支援するために、補装具やリハビリテーション機器、ロボット技術を活用した介入にも積極的に関わっています。義足やリハ機器(評価・練習機器を含む)の研究開発にも触れてきた視点から、病態の運動学的評価、トレーニング方法、介護負担への関わりについて紹介します。

柳田 泰義 先生 (神戸大学 大学院人間発達環境学研究科)

「スポーツ外傷・障害の予防とそのバイオメカニクス」
スポーツに限らず頭頸部における外傷は非常に問題が残る。時には人格を損ない、時には数時間程度で致死的な状態に至るので単なる事故では済まされない場合が多い。やはり現場を中心とした予防に努力するしかない。頭頸部の構造は複雑であり、そこでの現象解明は物理的な解釈のみでは充分ではない。次の3つの実験をご紹介して防止策を提案したい。
・ダミーを使った打撲と転倒による脳挫傷の生成の違い
・アメフット選手の軽度脳震盪時における神経生理学的、神経心理テストによる評価
・アメフト選手の頚椎変化に関する研究(経過報告)

糟谷 佐紀 先生 (神戸学院大学 総合リハビリテーション学部)

「住環境整備からユニバーサルデザインまで」
兵庫県立総合リハビリテーションセンター福祉のまちづくり工学研究所で行った、手動車いすユーザーの駆動力を計測し、個人の身体能力に応じた住環境整備の提案を行えるシステムの構築について報告を行う。また、現在取り組んでいるユニバーサルツーリズムやユニバーサルサービスの普及活動について紹介する。

第 59 回 (2010-12-11 開催)

世話人: 湊 小太郎 先生
参加者: 75 名

講演内容

杉本 直三 先生 (京都大学 大学院医学研究科人間健康科学系専攻)

「MRI顕微鏡の開発とその応用に向けて」
我々は小型生物や生体資料の高解像度撮像が可能なMRI顕微鏡の開発を行っている.高空間解像度達成のため,14.1 Tの静磁場マグネットを導入してNMR信号強度を高め,また,グラディエントコイル・送受信コイル一体型プローブを開発したうえで,全体システムを構成した.これにより,現時点でボクセルサイズ20μmでの撮像が可能となっている.本発表では,装置の紹介とP53ガン抑制遺伝子ノックアウトメダカの可視化やNMRスペクトラム解析等についての報告を行う.

松村 泰志 先生 (大阪大学 大学院医学系研究科医療情報学講座)

「臨床情報の分析のための仕組み」
診療情報を電子化する際に、分析可能な形でデータ収集する仕組みを開発し、阪大病院にて稼働させた。一般記述を構造化データとして登録する手法、マルチベンダーの文書生成システムから重要項目値を抜き出し収集する手法を開発し、診療情報を網羅的に分析用データベースに蓄積することを可能とした。現在1日40万レコードのペースでデータが蓄積されている。更に、ここから各臨床研究に必要なデータを抽出して登録する手法を開発し稼動させた。

黒川 顕 先生 (東京工業大学 大学院生命理工学研究科)関西支部特別講演

「ゲノム情報立脚型社会」
細菌は数百から数万種の集団を形成し,細菌間相互作用だけでなく,環境と密接に関連しながら複雑なシステムを構成しており,地球環境の根幹を形成していると言っても過言ではない.これら細菌のもつ多様かつ膨大な遺伝子群で満たされている環境は,巨大な遺伝子プールととらえることができよう.この環境中の遺伝子プールを解析する極めて有効な手段のひとつが,細菌群集を培養に依存することなくまるごとゲノム解析する「メタゲノム解析」である.本講演では,新型シークエンサーを利用したメタゲノム研究の可能性を実例を挙げて解説する.

第 58 回 (2010-10-02 開催)

世話人: 長倉 俊明 先生
参加者: 73 名

講演内容

安村 良男 先生 (国立病院機構大阪医療センター)

「心不全治療のパラダイムシフト」
心臓は血液を循環させるために、動脈内に血圧を発生させるポンプと考えることできる。同時に、心臓は腎臓とともに循環血液量を調節している。この血圧や循環血液量の調節はさらに脳を中心とした制御システムによって精巧に調節されている。この制御システムはレニンアンジオテンシン系や交感神経系により構成されている。特に、交感神経系は心臓にリモデリングをもたらし、さらなる心機能の低下をもたらす。収縮力の低下した心臓に端を発した収縮性心不全の中心的な治療目標は、弱った心臓に鞭を打つのではなく、交感神経活性を抑制し、逆リモデリングをもたらすことである。

成瀬 恵治 先生 (岡山大学 医学部)

「メカノメディスンへの誘い」
我々の体は様々なメカニカルストレスに対して適切に受容・応答している。我々は医学的のみならず工学的手法を駆使し、この情報伝達機構を解明してきた。本講演では基礎医学的研究(@細胞ストレッチ刺激チャンバーを用いた機械受容チャネルの分子生理学的研究、Aマイクロ・コンタクトプリンティング法を用いた細胞形態制御、Bマイクロチャネルを用いた流体力学的研究)とその臨床応用(生殖補助医療、再生医療)について講演する。

門田 浩二 先生 (東海学園大学 人間健康学部)

「リーチング中の視覚運動刺激により誘発される短潜時の腕運動応答」
環境の変化に素早く対応し,柔軟に変化するのが人間の身体運動の特徴の一つである.本会では,リーチング動作中に引き起こされる短潜時・反射的な運動応答を題材として,高速度の修正動作を実現している視覚-運動情報処理の仕組みを紹介する.さらに随意運動と反射応答の相互作用から,運動の随意性や運動の知覚・感覚についても議論する.

第 57 回 (2010- 6-19 開催)

世話人: 和田 成生 先生
参加者: 65 名

講演内容

芦高 恵美子 先生 (大阪工業大学 工学部)

「分子イメージングによる痛みの制御機構の解明」
私どもは、神経ペプチド・ノシスタチンが、同一前駆体タンパク質に存在するノシセプチンによる痛みを拮抗することを明らかにしてきた。本研究会では、細胞内プロセシングのイメージングの確立と痛みの制御機構への応用を中心に、最近の私たちの痛み研究への取り組みについて紹介します。

外波 弘之 先生 (大阪工業大学 工学部)

「エレクトロスピニングによる脳血管内治療用カバードステントの研究開発」
現在脳動脈瘤の治療は,開頭術によるクリッピング法か血管内からのアプローチによる白金コイル留置法により治療されている.しかし,症例数が集まるとともに白金コイル留置法の限界が指摘され,次世代の治療デバイスの開発が望まれている.本発表では,エレクトロスピニングにより形成されるナノファイバーを利用した,特に脳動脈瘤治療を目指す小口径カバードステントの開発について述べる.

木原 隆典 先生 (大阪大学 基礎工学研究科)

「原子間力顕微鏡を利用した細胞計測」
細胞は物体として構造を有し,様々な機能を実現している.そもそも物体の構造と機能の間には関連性があるというのが古来より人間が有する物体観であるが,そういった物体観が細胞レベルにまであてはまるかは定かではない.本発表では我々が行ってきた,原子間力顕微鏡を用いた細胞計測の例を紹介し,物体としての細胞について考えたい.

第 56 回 (2010- 4-17 開催)

世話人: 木下 博 先生
参加者: 73 名

講演内容

宮本 忠吉 先生 (森ノ宮医療大学 保健医療学部)

「運動時における呼吸化学調節系の動作原理の解明 - システム生理学的アプローチの重要性-」
呼吸化学調節系や動脈圧受容器反射系は、血液ガスやpH、血圧の恒常性維持に必要不可欠なnegative feedbackシステムであり(閉ループ状態)、古くから生理学的研究の的であるが、厳密な意味でのシステム同定を用いた応用研究はまだ少ない。本研究会では、呼吸化学調節系を開ループ条件下でシステム同定する解析手法を紹介し、それを応用して、運動時における呼吸調節系の動作原理の解明や、長期運動トレーニングの効果、および慢性心不全患者の呼吸異常発現メカニズムの解明に役立てる研究アプローチの実際について述べる。

井村 誠孝 先生 (大阪大学 基礎工学研究科)

「リアルタイム物理ベースコンピュータグラフィクスはバイオメクとインタラクトするか?」
バーチャルリアリティ(人工現実感;VR)は人工的な感覚刺激により実在しない物体や現象を知覚させる技術の総体である。VR世界の視覚的な実在感の向上には、物理シミュレーションに基づいたリアルタイムコンピュータグラフィクスが大きく寄与している。本講演では、講演者がこれまでに取り組んできた流体や光学現象のインタラクティブな提示技術について紹介するとともに、生体工学領域においてどのような応用が可能であるかを検討する。

細川 千絵 先生 (産業技術総合研究所)

「集光レーザービームによる培養神経回路網の操作技術の開発」
神経細胞は電気的活動とシナプス結合を介した情報伝達を行うことにより脳の情報処理を実現する生命システムです。本発表では、この過程を能動的に、かつ非接触に操作することを目的とした研究の取り組みとして、レーザー光を用いて神経回路網を単一細胞、単一シナプスレベルで操作する技術開発について紹介します。

第 55 回 (2009- 12-12 開催)

世話人: 平林 伸治 先生
参加者: 64 名

講演内容

菅本 一臣 先生 (大阪大学 大学院医学系研究科)

「生体内骨関節3次元動態解析手法の確立とそれを用いた身体全関節動態完全データベース化」
生きている人間の骨関節がどのように動いているかは全くわからなかった。これまでその解析手法が存在しなかったからである。我々の教室ではX線イメージ画像を用いてその情報を3次元化するコンピュータ解析システム(2D-3D registration法)やMRI、CT装置を用いた複数肢位撮影による動態解析システム(3D-3D registration法)を開発し身体の全関節の動態をデータベース化している。

辻田 勝吉 先生 (大阪工業大学 工学部)

「CPGモデルとロコモーション研究について」
近年,生物の持つ高度な環境適応機能に着目し,その制御メカニズムを工学分野,特にロボット技術に応用しようとする研究が盛んである.また,その一方で,ロボット技術において本質的であるシステム工学的アプローチにより生物の脳機能を解明しようとする研究も見られるようになった.本講演では,生物学と工学の融合的立場に立った研究の一つの好例であるCPGモデルと適応的歩行制御のメカニズムに関する研究の一部を紹介し,議論を行なう.

神谷 厚範 先生 (国立循環器病センター研究所)

「システム統合生理学で、生体を理解し制御し、未来医療を拓く」
生体は、個体の構成体(分子、細胞、組織、器官)が各階層内や階層を貫いて組織化されたシステムです。個体機能はシステムの動作として創発され、病態はシステムの失調として理解できます。しかし、生体は幾多もの閉ループ系で構成されているため、観察的手法ではシステム特性を理解困難です。そこで私の研究チームは、開ループ法や介入的実験等の因果関係を明確にした手法で、生体機能をシステム同定して内部構造を理解すると共に、さらにそれを基盤として、システムレベルで生体機能を制御するインテリジェント医療を開発してきました。これは、患者さんの生体信号を受けて、生体病態モデルで内部構造を定量化(=診断)し、それを閉ループ下に制御(=治療)することを特徴とした、自律神経医療や自動循環管理医療などであり、臨床実用が手に届くところまで来ているものもあります。当日は、時間の許す限り、これをご紹介させて頂きたいと思います。

第 54 回 (2009- 10-03 開催)

世話人: 田村 進一 氏
参加者: 61 名

講演内容

森 勇介 先生 (大阪大学 工学研究科)

「レーザー技術を用いた医工連携・異分野連携プロジェクト」
レーザーは様々な材料の加工をはじめ、色々な利用法が考えられてきた。本講演では、人工関節表面や生体高分子の加工技術による医工連携プロジェクト、そして難結晶化タンパク質の結晶核発生技術に関する異分野連携プロジェクトに関して紹介する。

菊池 武士 先生 (大阪大学 工学研究科)

「リハビリテーションロボティクスにおけるHuman-Friendlyなアクチュエータやパッシブデバイスの応用」
超高齢社会を迎え,ロボット技術やVR技術のリハビリ支援,介護支援等への導入が期待されている.しかし,人間と機械が容易に接近するこれらの応用分野において,十分な安全性を確保しながら要求される仕様を満たすことは容易ではない.我々はこれまで,機能性流体を応用した安全性の高いパワーアシストシステムや,ブレーキのみを用いた本質的に安全なリハビリ支援システム等を開発した.また,一部の装置に関しては医療機関等で一般ユーザにより安全に運用されている.本発表では,これらの装置開発から臨床実験での経験までを紹介する.

田原 大輔 先生 (龍谷大学 理工学部)

「医療画像に基づく骨のイメージベース力学解析とその応用」
近年,骨粗鬆症の骨折リスク評価を目的とした骨の応力解析に関する研究が盛んに行われ,イメージベースモデリングにより,患者固有の骨形状や骨内材料特性分布を反映した骨の個体別力学解析およびその医療応用が現実的なものになりつつある.本会では,講演者がこれまでに取り組んでいる骨のイメージベース力学解析とその整形外科医療応用について,話題を紹介する.

第 53 回 (2009- 6-27 開催)

世話人: 和田 成生 氏
参加者: 75 名

講演内容

三宅 淳 先生 (大阪大学 基礎工学研究科)

「幹細胞研究から見るライフサイエンスの応用可能性 - 再生医療・バイオロボティックス・創薬への展開-」
皮膚・骨再生、角膜再生など、再生医療は今や実践的な医療として定着しつつある。さらなる発展のためには、より複雑な機能、任意の組織の形成が期待される。iPS細胞などの幹細胞創成、分化誘導技術が着目されるところである。しかし、このためには、細胞を形成する遺伝子などの機能を正確に知ること、計画通りの機能を発現するための分化誘導技術が必要となる。遺伝子やタンパク質の細胞内導入や細胞内の分子についての精密な計測技術が必要になる所以である。我々はAFMを用いたヒト細胞内での分子操作や遺伝子間のネットワークを解析するための時系列変化の測定方法を開発してきた。本講演では関連する研究の状況を報告するとともに、分子細胞研究とロボティックス技術との連携による次世代の再生医療(バイオロボティックス)の可能性についても議論したい。

越山 顕一朗 先生 (大阪大学 基礎工学研究科)

「細胞膜の分子シミュレーションとその医学応用」
近年,細胞膜の分子レベルでの構造や運動を知るために,分子動力学(MD)法を用いた分子レベルのシミュレーション研究が盛んにおこなわれている.本会では,講演者が取り組んでいる細胞膜の分子シミュレーションとその医学応用(超音波DDS,吸入麻酔薬の動態に関連する話題)を紹介する.

吉木 啓介 先生 (兵庫県立大学 工学研究科)

「偏光モード変換器を用いた立体分子配向の顕微イメージング」
励起光,もしくは信号光の偏光モードを制御することで,立体的な分子配向を観察する顕微鏡を発表する.顕微鏡は試料中の分子の密度など,スカラー量の分布を可視化する装置だが,偏光方向と分子配向の相対角度を計測することで分子の向きを可視化するベクトル場計測も可能である.我々はこれに偏光モード変換器を開発,実装することで,観測可能な配向方向を3次元に拡張した立体配向顕微鏡を開発し,3次元的な位置と向きの同時取得を可能とした.

第 52 回 (2009- 4-11 開催)

世話人: 大城 理 氏
参加者: 68 名

講演内容

民谷 栄一 先生 (大阪大学 工学研究科)

「ナノバイオセンサーとその応用」
ナノ金属構造デバイスを用いた局在プラズモン共鳴チップやカーボ ンナノチューブを用いたFETなどのナノデバイスに抗体や遺伝子を配置したナノバイオセンサーの研究開発状況とその応用について紹介する.

田畑 慶人 先生 (京都医療科学大学 医療科学部)

「診療放射線技師の業務支援を目指して 〜単純撮影画像の自動トリミングとstool tagging法によるCT-colonographyのDigital Cleansing〜」
診療放射線技師の主な業務は,CT装置などの診療画像機器を利用して患者を撮影し,読影診断に必要な医用画像を作成することです.しかしMDCT装置で撮影された大量の画像に対する画像処理や医療情報の電子化は,技師の新たな負担となっています.本発表では,診療放射線技師の業務負担を軽減することを目指した研究の取り組みとして,単純撮影画像の自動トリミングとstool tagging法によるCT大腸検診のためのデジタルクレンジングへの試みなどについて紹介します.

古屋 晋一 先生 (関西学院大学 理工学研究科)

「熟練ピアニストの打鍵動作における運動制御方略」
我々はこれまでに,熟練ピアニストとピアノ初心者の打鍵動作の運動学的,動力学的な特徴や筋活動パターンの違いについて研究を行ってきた.本発表では,熟練ピアニストが打鍵動作のエネルギー効率を高めるために用いている高度な運動制御方略について紹介する.

第 51 回 (2008-12-13 開催)

世話人: 石原 謙 氏
参加者: 50 名

講演内容

川村 次郎 先生 (日下病院), 赤澤 堅造 先生 (大阪工業大学 工学研究科)

「阪大バイオメカニクス研究会の発足と展開」
川村先生:バイオメックフォーラム21の前進,阪大バイオメカニクス研究会のお世話の中で,FES研究(トヨタ財団:研究代表者 川村次郎)の研究助成を受けた.この展開や国際会議出席にまつわる話,を話題提供といたします.
赤澤先生:赤澤の目から見た上記FESの展開の感想,そしてバイオメックフォーラムの発足,現在の研究などを少し付け加えさせていただきます.

奥野 竜平 先生 (摂南大学 工学部)

「パーキンソン病における運動障害計測・診断支援システムの開発」
パーキンソン病は中高年者に多く発症する神経疾患である.しかし,重症度診断のための基準が半定量的であり,験者間差異や験者内差異が生じることがある.そのため,定量的な計測機器の開発が望まれている.本研究では,医師が臨床の場において患者を診断する時と同様の手技を取り入れた運動計測・診断支援システムの開発を行っている.本発表では,指タップ運動,筋強剛などを対象としたシステム関して報告を行う.

桝田 晃司 先生 (東京農工大学 生物システム応用科学府)

「ハード・ソフトを融合した未来の超音波医療」
超音波は生体に対する親和性が高く,画像診断のみならず治療への応用が盛んに研究されている.本講演では,薬物を含んだマイクロカプセルによるDDS(薬物伝送システム)の実現を目指し,超音波の音響放射力を利用した局所的濃度制御や,血管分岐部における能動的選択制御法について最新の結果を紹介する.また,講演者のこれまでに行ってきた超音波遠隔診断や,動画像処理による心機能診断の研究内容についても解説する.