第 70 回 (2013-10-05 開催)
世話人: 木下 博 先生参加者: 98 名
講演内容
田口 隆久 先生 (情報通信研究機構(NICT) 脳情報通信融合研究センター・上席研究員)
「神経回路のゆらぎから脳のゆらぎへ」北澤 茂 先生 (大阪大学 大学院生命機能研究科・教授)
「眼を動かしても世界が動かない理由」亀尾 佳貴 先生 (大阪府立大学 大学院工学研究科・助教)
「リモデリングによる骨の機能的適応現象のマルチスケールバイオメカニクス」第 69 回 (2013-06-22 開催)
世話人: 天野 晃 先生参加者: 74 名
講演内容
安達 和彦 先生 (神戸大学 大学院工学研究科・准教授)
「脳神経外科手術支援のための力学的変形解析と手術トレーニングシステム−解析の精度評価とトレーニングシステムの評価− 」
石川 昌紀 先生 (大阪体育大学 体育学部・准教授)
「ヒト身体運動中の神経筋機能東アフリカ長距離選手の強さの秘密に,神経・筋腱動態から迫る」
鈴木 康之 (大阪大学 大学院基礎工学研究科・助教)
「ヒト静止立位姿勢の間欠的神経制御モデル」第 68 回 (2013-04-20 開催)
世話人: 赤澤 堅造 先生参加者: 89 名
講演内容
田村 進一 先生 ((株)NBL研究所・所長,大阪大学・名誉教授)
「興奮性媒体に発生する非線形現象とその抑制」津崎 実 先生 (京都市立芸術大学 音楽研究科・教授)
「聴覚初期過程における寸法知覚」伊井 仁志 先生 (大阪大学 大学院基礎工学研究科・助教)
「血流シミュレーション手法の開発とその医療応用に向けて」第 67 回 (2012-12-01 開催)
世話人: 杉町 勝 先生,中沢 一雄 先生参加者: 59 名
講演内容
小西 啓治 先生 (大阪府立大学 大学院工学研究科・教授)
「興奮性媒体に発生する非線形現象とその抑制」清野 健 先生 (大阪大学 大学院基礎工学研究科・准教授)
「間欠性ゆらぎの非ガウス統計を応用した心拍変動解析」芦原 貴司 先生 (滋賀医科大学 循環器内科・講師)
「慢性心房細動のメカニズムと治療に関するシミュレーション」稲田 慎 先生 (国立循環器病研究センター研究所・特任研究員)
「心臓刺激伝導系興奮伝導の計測とシミュレーションによる解析」第 66 回 (2012-9-29 開催)
世話人: 田中 正夫 先生参加者: 42 名
講演内容
萩原 啓 先生 (立命館大学・教授)
「生体由来のリズム刺激を用いた異なる生理状態への誘導」生体では神経系の活動をはじめとして、脳波、心拍、呼吸など様々なリズムを有する生体信号が存在する。また睡眠中のレム−ノンレムリズムに代表されるウルトラディアンリズムや体温変動に代表されるサーカディアンリズムなどがある。これら生体が持つ様々なリズムをもとにして環境物理刺激のリズムを作成し生体に与えるとリズムへの同期現象がみられる。本講演では心拍、呼吸のリズムを用いた刺激による自律神経系への影響や刺激後のパフォーマンスの違いなどを柱に、これらの研究開発への取り組み方法、成果、今後の展開について述べる。
木戸 善之 先生 (RIKEN・チーム員)
「生命科学における「京」の必要性:「京」を用いた大規模遺伝子制御ネットワークの推定」HPCI戦略プログラム分野1「予測する生命科学・医療および創薬基盤」では「京」を用いた研究開発および計算生命科学推進体制の構築を実施し,4つの研究開発課題を進めている.本講演では戦略分野1での取り組みを紹介し,研究事例として「大規模生命データ解析」におけるサブ課題「大規模な生体分子ネットワークの解析技術の開発」について紹介する.
石井 克典 先生 (大阪大学・助教)
「中赤外レーザーを用いた疾患選択的な低侵襲治療技術の開発」レーザーが発振してまもなく数種類のレーザー光源が医療に応用され、現在は様々な診療科において、低侵襲で高いQuality of Lifeを提供する治療ツールとしてレーザー治療機器が利用されている。近年のレーザー発振波長拡大に伴い、先端光源を用いた積極的なシーズ研究および先端光源技術のレーザー治療機器への搭載が実現することにより、科学的根拠に基づいた低侵襲(従来より安全)な治療を提供することができる。本講演では、生体の分子振動領域である中赤外波長を用いた疾患選択的治療に向けたレーザー生体相互作用研究例、具体的には波長5.75μmを用いた動脈硬化治療、波長5.8μm帯を用いた虫歯除去治療について紹介する。
第 65 回 (2012-6-23 開催)
世話人: 南部 雅之 先生参加者: 49 名
講演内容
重森 健太 先生 (関西福祉科学大学・教授)
「MMSEの構造とリハビリテーション」認知症を早期に評価し,症状の改善と進行の予防をすることが,高齢者のリハビ リテーションにおいて重要な課題である。認知症の臨床検査では,Mini-Mental State Examination(以下,MMSE)が世界各国で使用され,本邦でも最も使用頻 度の高い認知症検査方法の一つである。しかし,MMSEは総合得点で認知症のスク リーニングを行うため,前頭前野機能低下に伴う認知症の早期評価と介入が遅れ ることが大きな課題であると指摘されている。本講演では,MMSEの因子構造を提 示し,認知機能低下者へのリハビリテーションの可能性について紹介する。
関根 正樹 先生 (大阪電気通信大学・特命准教授)
「自己健康管理に向けたウェアラブル脈拍計の開発」生活の質(QOL)の維持・向上を図りつつ医療費を抑制するためには,疾病を予 防することが実際的な対策となる.この対策の1つに自己健康管理が挙げられ, 日々の生体情報を非侵襲で簡便に計測し,生活習慣の改善や早期診断を支援する デバイスの開発が期待されている.本発表では,循環器系生体情報の1つである 脈拍数を日常生活下において簡便かつ連続的にモニタリングするウェアラブル脈 拍計の開発について紹介する.
武田 真季 氏 (大阪大学 大学院医学系研究科・博士課程3年)
「看護と工学の融合研究:看護を可視化する」看護業務は,患者の個別性により経験で語られることが多く,具体的なエビデンスや解決法がないものが多い. そこで我々は看護学における基礎的課題について,現場サイドの看護視点と技術サイドの工学視点を融合させ,看護業務をサポートするものづくりを行っている.本発表では,看護業務や患者動作の「可視化」という点に着目した研究について紹介する.
第 64 回 (2012-4-14 開催)
世話人: 平林 伸治 先生参加者: 73 名
講演内容
宮井 一郎 先生 (森之宮病院・院長代理)
「神経リハビリテーションの現状と今後の展望」脳卒中などの脳損傷後の機能障害や日常生活動作の改善を目的とした神経リハビリテーションにおいては、基礎から臨床へのtranslational researchが促進されつつある。この分野では神経科学の知見が、リハビリテーションの方法論のみでなく、医療・介護の供給体制にも反映されうることが特記すべき点であろう。今後、神経科学→原則の証明→臨床介入試験→ヘルスケアサービスへの反映というパイプラインがさらになる確立が期待される。
世良 俊博 先生 (大阪大学 MEIセンター)
「巨視的・微視的な視点からの呼吸器動態解析」講演概要:呼吸器は、生体活動を行う際に必要な酸素を取り込む唯一の臓器である。解剖学的には、直径数センチの鼻腔から直径200ミクロン程度の肺胞まで複雑に分岐を繰り返すマルチスケール構造であり、胸郭が変形することによって呼吸器内に気流が発生し呼吸機能が維持されている。本発表では、呼吸器の動態解析について巨視的・微視的な視点から行った研究について紹介する。
岡田 志麻 先生 (立命館大学 ロボティクス学科)
「体動からみる睡眠研究」夜間睡眠時においては,自律神経系をはじめ様々な身体諸機能が睡眠の状態に伴い変動している.中でも体動は睡眠の状態と密接に関係している.以上のことから,体動のみから睡眠の状態を推定する技術について紹介する.また,小児睡眠においては,特に睡眠と発達の関係が重要視されている.この関係について,睡眠時の体動という観点から行った研究を紹介する.
第 63 回 (2011-12-10 開催)
世話人: 楠岡 英雄 先生参加者: 68 名
講演内容
黒田 知宏 先生 (京都大学医学部附属病院)
「ユビキタス病院情報サービスの実現に向けて」長倉 俊明 先生 (大阪電気通信大学 医療福祉工学部)
「画像処理による医療支援システム」中沢 一雄 先生 (国立循環器病センター研究所)
「先天性心疾患を中心としたシェーマシステムの進展について」大城 理 先生 (大阪大学 大学院基礎工学研究科)
「生体のモデリングと可覚化」第 62 回 (2011-10-1 開催)
世話人: 三宅 淳 先生参加者: 82 名
講演内容
妙中 義之 先生 (国立循環器病センター研究所)
「医工連携・産学連携による医療機器開発―日本の技術を、いのちのために。」医療機器開発には、臨床現場や患者が求める明確なニーズ、将来の医療に貢献する重要なアイデア、医工・産学連携、複数技術の融合、製品化への連続的プロセス、規制対応、技術を持つ企業が医療機器分野に入るための世論作り、などが重要である。開発に参加した例としての先端技術を応用した人工心臓やその周辺機器、人工肺の製品化の成功例、開発プロセスでの問題点、国や省庁、外部企業との連携などについても概説する。
松田 靖史 先生 (川村義肢)
「義肢装具の現状(日常とスポーツ)と将来」北京オリンピックでは両足義足の選手が出られるかが話題になりました。今年8月の世界陸上に出た同じ選手は日本記録よりも早いタイムを持っています。「補装具」である義肢装具は既に「補う」範疇を越えて一部の機能では健常の手足を凌駕しています。一方、日本は技術大国として二足ロボットの研究開発が盛んです。義足とロボットの違いは?ヒトとアンドロイドとサイボーグの線引きは?先進の義足の紹介から人体への補てん物における倫理まで広く話題提供します。
袴田 和巳 先生 (大阪大学 基礎工学研究科)
「時系列解析を利用した細胞集団システムへのアプローチ」生体は細胞を最小構成単とし、その集合として臓器を構成し様々な機能を実現している。しかしながら細胞単体では実現できる機能は生体からは程遠く、生体を構成するには細胞の集団化の効果が大きいと考えられる。即ち構成単位である細胞の集団としての性質を評価することにより、細胞から生体への架け橋を築くことが可能と考えられる。本発表では我々が行ってきた細胞の時系列解析をから細胞の集団的挙動について考えたい。
第 61 回 (2011-6-25 開催)
世話人:八木 哲也 先生参加者: 77 名
講演内容
南川 丈夫 先生 (京都府立医科大学)
「非線形ラマン顕微鏡によるバイオイメージング」医学・生物学分野において,光学顕微鏡は細胞・組織の形態観察,時には分子の構造・分布の時空間発展を得る手法として広く用いられている.特に近年,試料に染色や固定といった特殊な処理を行うこと無く分子分布や構造の時空間発展を計測することができるラマン顕微鏡が開発され,さらに非線形光学と組み合わせることで1画像毎秒以上の高速イメージングも実現されてきている.本講演では,我々が行って来た非線形ラマン顕微鏡の開発とそのバイオイメージングへの応用を中心に紹介し,現在と今後の「光学顕微鏡」について考えたい.
平田 雅之 先生 (大阪大学 医学系研究科)
「脳表脳波を用いたブレイン・マシン・インターフェースによる脳機能再建」ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)とは脳信号から意図を読み取り、ロボットなどの外部機器を思い通りに制御する技術であり、重症身体障害者に対して機能支援を行う手法として期待されている。我々は、多極電極を直接脳表面におくことにより、リアルタイムロボット制御など、高性能のBMIを開発しており、本講演ではこれまでの研究成果を紹介する。
杉町 勝 先生 (国立循環器センター)
「生体制御への介入による疾患治療の可能性」慢性心不全は心機能の低下に起因するが、その進行とともに生体制御破綻が主役となる。血圧調節系(圧反射系)の異常に伴う迷走神経活動消退を電気刺激により是正することにより、交感神経系抑制による薬物治療を超える予後改善が動物実験で得られた。一方、急性心不全の救命には複数の血行動態変数を迅速に正常化するため、多薬剤の投与量を同時に迅速安定に決定する自動制御治療が必要である。本講演ではこれらの開発について述べる。