第 81 回 (2016-07-09 開催)

出口 真次 先生 宮下 尚之 先生 田川 聖一 先生


世話人: 三宅 淳 先生
参加者: 67 名

講演内容

出口 真次 先生 (大阪大学 大学院基礎工学研究科・教授)

「細胞バイオメカニクスとメカノバイオロジーのせめぎ合いと融合」
個々の細胞が、周囲の力学環境の変化に対して適応的に応答するメカニズムについて説明する。一般論として、未解明の現象の理解には、多くの場合一つの分野の枠にはめられず、複数の分野の知識を総動員する必要が出てくる。本講演で取り上げる現象に対しても、バイオメカニクスとメカノバイオロジーという、ロジックや世界観の異なる手法を組み合わせてアプローチする過程にもフォーカスを置いて説明する。

宮下 尚之 先生 (近畿大学 生物理工学部・准教授)

「生体分子シミュレーションと疾患機構 〜アルツハイマー病とコレステロール〜」
近年、計算科学に関する技術の進歩によりコンピュータシステムの性能が劇的に上がってきた。この様なスーパーコンピュータをはじめとするコンピュータシステムを利用する事で、精度の高い様々な生体分子シミュレーションが可能になってきた。本講演では前半に最近のスーパーコンピュータの話をし、後半に講演者が行っている生体分子シミュレーションを用いたアルツハイマー病の分子機構に関する研究の紹介をする。

田川 聖一 先生 (大阪大学 大学院基礎工学研究科・助教)

「人間の知能を拡張するためのコンピュータビジョン」
人間が物体を見て認識するときは両眼で観察し,過去の経験と照らし合わせてそれが何であるかを判断する.コンピュータに見た目から物体を認識させる際には必ずしも人間の視覚に沿った2視点画像を入力にする必要はない.むしろコンピュータにしか解析できない詳細で複雑な情報を計測・解析して人間の認識能力に沿う情報に加工することで,認識できない情報を理解できるようになることを目指す取り組みを紹介する.