第 85 回 (2017-07-08 開催)
秋山 いわき 先生 | 井上 康博 先生 | 小関 準 先生 |
世話人: 出口 真次 先生
参加者: 53 名
講演内容
秋山 いわき 先生 (同志社大学 生命医科学部・教授)
「超音波照射による生体への影響について」最近、造影剤投与後の心臓に対する超音波照射が期外収縮を誘発することが動物実験によって明らかとなった。超音波照射によって発生する活性酸素の生体組織への影響が検討されている。一方、生体組織への超音波照射による微小な温度上昇を超音波で測定することが可能となり、音速の温度依存性を利用した組織性状診断が期待されている。
井上 康博 先生 (京都大学 ウイルス・再生医科学研究所・准教授)
「上皮組織変形の多細胞力学シミュレーション」器官・組織に見られる立体的な形状は、個々の細胞が生み出す力が細胞シートに変形を引き起こすことにより形成される。本講演では、ローカルな力の集積から細胞シートの組織変形をシミュレーションすることにより明らかとなった、生物の3D形態形成における力学原理の一端を紹介する。
小関 準 先生 (大阪大学 大学院医学系研究科・助教)
「トランス・オミックス解析法によって抽出された、がん幹細胞の新しい機能」生体内分子全体を網羅的に把握する事を目的としたオミックス解析は、近年注目を浴びている。トランス・オミックス解析はこれら各オミックス解析間の相関関係を解析する手法である。しかしながら、そのデータ量の多さから十分な解析法は確立されていない。本研究で私たちは新規トランス・オミックス解析を開発し、それによってがんの親玉と言われるがん幹細胞を解析し、それがもつ新しい機能を見出した。