第 89 回 (2018-7-28 開催)
志賀 利一 先生 | 増田 敦士 先生 | 大谷 智仁 先生 |
世話人: 出口 真次 先生
参加者: 54 名
講演内容
志賀 利一 先生 (オムロンヘルスケア株式会社 技術開発統括部・R&Dフェロー)
「血圧計開発の過去・現在・未来」オムロンヘルスケアでは1973年に電子血圧計の1号機を開発して以来40年超に渡り血圧計を開発・生産してきており、現在では1700万台/年超(世界シェア約50%)の血圧計を全世界に提供している。一方で近年のICT、ウエアラブル技術の発展によりその環境は激変していることは周知の通りである。本講では血圧計開発の経緯を紹介するとともに今後の方向性を企業における技術戦略の考え方とともに考察したい。
増田 敦士 先生 (福井県庁 地域産業・技術振興課)
「スマートテキスタイルの開発動向について」最近話題のウエアラブル分野の一つとして衣服型デバイスがある。ここで使用される材料は、エレクトロニクス技術とテキスタイル技術を融合したe-テキスタイル(スマートテキスタイル)であり、フレキシブルなエレクトロニクス機能を有する部材として注目されている。今回はこの分野の開発動向、および福井県工業技術センターでの研究事例を紹介する。
大谷 智仁 先生 (大阪大学 大学院基礎工学研究科 助教)
「計算バイオメカニクスによる脳血管障害の診断・治療支援」脳血管の梗塞や出血といった脳血管障害について,発症後の高い死亡率や,予後の深刻な後遺症など,その危険性は広く一般に認知されている.我々はこれまで,脳動脈瘤の血管内治療支援にむけた治療用デバイスの数理モデリングや,4D-CT画像計測に基づく心原性脳梗塞の発症リスク予測など,計算バイオメカニクスの視点から,脳血管障害の診断・治療支援のための数値シミュレーションを実施してきた.本発表ではこれまでの成果を紹介するとともに,開発してきた技術の臨床応用にむけた展望について述べる.