第 90 回 (2018-10-20 開催)
今井 陽介 先生 | 佐伯 壮一 先生 | 大友 涼子 先生 |
世話人: 清野 健 先生
参加者: 56 名
講演内容
今井 陽介 先生 (神戸大学 大学院工学研究科・教授)
「体の中の複雑な流れを計算する」我々の体内の流れは複雑である.血液は,血球細胞の濃厚懸濁液であり,消化器内では,固気液三相からなる食物が流れる.このような生体流れを計算機上に再現するためには,流体力学だけでなく,固体力学や生化学を連成して計算する必要がある.本講演では,赤血球流動,マラリア感染,胃内容物の撹拌など,最近の計算バイオメカニクス研究について紹介する.
佐伯 壮一 先生 (大阪市立大学 大学院工学研究科・准教授)
「産看医工連携ハブ技術としての低コヒーレンス光干渉断層法(OCT)の多機能化 ~皮膚・軟骨・動脈硬化・癌・再生組織への応用 ~」動脈硬化や癌を始め関節軟骨疾患や加齢を含めた皮膚疾患など,多くの疾患では組織内の化学物質が変化すると共に,マイクロ㍍(百万分一㍍)レベルで組織構造や硬さなども変化します。低コヒーレンス光干渉断層法(OCT)は,組織を非侵襲にマイクロ断層可視化する小型かつ簡便な臨床用体内顕微鏡です。本講演では,生体の粘弾性,組織液流動,血流速,タンパク質濃度などの機能特性を断層可視化する多機能OCTついて紹介します。
大友 涼子 先生 (関西大学 システム理工学部・助教)
「低張条件下における赤血球の膨潤・溶血現象について」赤血球の浸透圧抵抗性は,溶血性貧血や脆弱性の評価に用いられることがある.本研究では,低張液を加えることでヒト赤血球が膨潤して溶血に至るまでの様子を実験により観察し,数値解析と併せることで膜内外の静圧差を評価した.本発表ではそれらの結果とともに,赤血球内のヘモグロビン量の可視化計測について紹介する.